消すな伝統の火!小樽少年ジャンプ!


jump.jpg 潮見台シャンツェ(潮見台2-14-6 )は、かつてジャンプの名選手達が少年時代に育った場所で、スキーのメッカといわれる、小樽の象徴的存在だった場所だ。
 ジャンプ台は、山側に向かって左側がスモールヒルK=24、真ん中がミディアムヒルK=56、右側がスモールヒルK=44の3つからなる、少年用のジャンプ台で、ナイター照明も用意されている。
 札幌冬季オリンピックの翌年1973年に発足した、小樽ジャンプスキースポーツ少年団は、最盛期で120名ほどの団員を誇り、団員達が連日ジャンプ台に挑む姿が見られたが、現在、団員は1人しかいない。
 16日(日)その潮見台シャンツェで、2月22日(土)からの大会に向け、ジャンプ台の整備が行われていた。
 ジャンプ台の整備とはいっても、アルバイトや少年団の役員らが、斜面を一歩一歩踏み固める地道な作業だ。本来、団員らが毎日ジャンプの練習に励んでいれば、このような整備は必要ない。
 少年団の悩みのタネは、少ない団員数のほかに役員の高齢化がある。
 現在の役員のほとんどが、かつての選手達の父兄であり、後継が現れないのが現状だ。
 少年団の竹内団長によると、「団員の減少は、少子化に伴うところが大きいが、まず何よりも、子供にジャンプをやりたいと思う環境を与えなければならない。
 例えば、スキー場のゲレンデであっても、遊びで飛べる程度のコブを作って、飛ぶことの楽しみを知ってもらうのも1つの方法だろう。
 また、子供が興味を示しても、ジャンプ競技ということで、危険だから親が止めさせるケースもあるが、いきなりジャンプさせるわけではないし、一般の人が思っているほど、ジャンプは危険な競技ではないですよ。」
 また、直接団員の指導にあたっている井上隆一さんは、3年前に勤務先の小樽市立長橋中学校から、共和町立共和中学校に転勤し、「子供がたくさん集まって欲しいけれども、現実問題として、いつも小樽に来て指導することはできないので、団員の期待に対して全ての責任を負うことはできない。
 ただ、現在札幌以外で、ジャンプに力を入れているのが下川町と余市町で、余市も一時は団員が1人になってしまった時があった。
 でも、かつての余市出身の選手らが、少年団を支えている時に、船木選手が長野五輪で金メダルを獲得して、余市の少年団に人が集まった。
 だから小樽の少年団も、当面は余市や札幌と連携をとりながら、希望を持ち続けるしかないでしょう。」と熱っぽく語った。
 潮見台シャンツェでは2月22日(土)に第31回北海道新聞社杯全道大会、3月22日(土)に第1回うしおライオンズ杯全国大会、3月23日(日)第27回NHK杯全国大会が予定されている。