小樽高商の人物群像を描く『小樽高商の人々』


kosho.jpg 2001年に創立90周年を迎えた小樽商科大学の高商時代の多彩な人物群像と、数々のエピソードを綴る『小樽高商の人々』が、この程出版された。
 同書は、小樽商科大学の前身、小樽高等商業学校時代の「校長群像」「高商アカデミズムの人々」「小樽高商に学ぶ」の3編からなる小樽高商小史。小樽高商の成立から、戦時下の教育状況、同校のアカデミズムの実態や、同校に学んだ人々をそれぞれのエピソードを数多く交え、学校が、時代と社会にどう関わってきたかを明らかにしている。小林多喜二や伊藤整から、一般の学生までの生活も様々に記述されており、興味深い一冊となっている。「小樽商科大学100年史」執筆への、橋渡し役をしっかりと果している。
 同書の表紙カバーは、小樽出身の優れた洋画家中村善策の「緑丘回想」から取られ、当時の面影を偲べる。『小樽高商の人々』小樽高商史研究会編 北海道大学図書刊行会 定価(本体2,000円+税) 2002年3月25日刊。